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毛皮のトラブルとお手入れ方法

毛皮のトラブル

毛皮のトラブル

・虫食い:代表的な虫は口虫類のヒメマルカツオブシ虫、ヒメカツオブシ虫、衣蛾類のイガ、コイガ等で皮や毛の根元が食い割らされます。ほとんどが春に産卵し、10日後に孵化した幼虫が夏にかけての間に毛の根元の部分を食い荒らします。例外的にカツオブシ虫は毛よりも皮を喰い荒らしますその結果、毛がボロボロと抜け落ちてきてしまいます。衣蛾類による毛抜けは刺毛、綿毛ともに毛の根元が喰われ、ゴソッと脱毛状態になり、その部分は毛根が残り、虫のフンなどの残留物があるのが特徴です。虫食いの原因は「ひどい汚れ」がほとんどですので、汚れが付着した場合は、固く絞ったタオルで軽く拭き、陰干ししましょう。ペットの小鳥の巣、庭木の鳥の巣などにも、毛皮を好む虫が寄生していることがあります。押入れの綿ぼこりの中にも虫の卵がいることがあります。

・スレ毛皮の場合、着用による摩擦が重なり毛がすり切れ、その部分だけ毛が薄くなることがあります。特に摩擦が起きやすいのは、袖口、ポケット口、前立ての部分で、刺毛が折れたり切れたりして無くなっていきます。
ショルダーバッグを肩からかけた時も同様で、ベルトがあたる肩のあたりの毛が擦れていってしまいます。

・水濡れ:毛皮は水が苦手な為、大量の水分が毛根を濡らしますと、硬化して破れ易くなります。硬化しますと、毛皮本来の柔らかな風合いが損なわれ、着心地も悪くなり、光沢感も失われ、バサバサとした毛足になります
雨などで濡れた場合は、水分をタオルなどでよく拭き取りゆっくりと自然乾燥してください。ストーブなどの強い熱で直接乾かすと毛先がチリチリになったり、皮が硬化し破けの原因となります。ほとんどの毛皮は、下毛を保護する上毛(ガードヘアー)が水分をはじく役目になっているので、雨や雪に濡れてしまったからといっても、正しい処置さえしておけば心配ありません。

・アイロン:裏地にアイロンをあてるのは禁物で、皮部が熱で熱収縮(縮み)を起こし硬化して破れます。
アイロンのみならず、濡れた状態で日光に当てたり致しますと、温度差が生じて俗に言う、「縮み」が出て硬化し破れを起こします。毛皮にはこの「温度差」がとても悪影響を及ぼします。

・熱:毛皮が製品になるまでの工程で、いろいろ化学処理が行われますが、80度以上の熱をかけることは一度もありません。
タバコやライターの火などは、瞬時に毛先を焦がしてしまいます。一番、気をつけていただきたいのはストーブの熱です。そばをさっと通り過ぎるだけでも、あっという間に毛先がちりちりになってしまいます。こうなった毛皮は大修理をしなくてはなりません。広範囲に及ぶと費用も時間もかかってしまうので、くれぐれもご用心を・・。

・自然劣化製品化された毛皮は年月を経ると、皮にもともとあった油質が酸化変性をしたり、なめし剤の酸が濃縮されて皮に影響を与え、硬化、破れの原因になる場合があります

・汚れ:そのままにしておくと、高温、高湿下でカビが発生し、悪臭を放ってきます。お首周りはお化粧した際ののファンデーションがつき易く、毛足に汚れがつき、長毛の毛皮の場合は、特にベタベタとし、風合いを損なってしまうことが多いので、時々固くしぼったタオルで拭き、陰干ししましょう。

・光による変色:紫外線や蛍光灯によって変色褐色してきます、
淡い色の毛皮は特にそうなり易いので扱いに注意が必要です。

・香水
毛皮に直接香水をかけますと、香水の性分が毛皮はもちろん、皮の
艶をなくす他に弾力性までも失なってしまうので注意してください。

FURスタイリスト:目黒京絵

毛皮のお手入れ法(普段のお手入れ方法

毛皮の理想的な保管条件は湿度50%、温度15℃以下で、時々、風通しを行ってください。
水に濡れた場合は、直ぐに拭いて乾かす事が重要です。また、防虫剤は毛皮専用のものをお勧めします。
毛皮を美しく着用するために、着用後の汚れのチェックやシーズンオフの保管など常に毛皮が良い状態であるように心がけて下さい。
保管の際には、シーズン中同様、着用後毛皮を裾部分から持ち、逆さにして軽く叩いてほこりを落とし、固く絞ったタオルで汚れを拭き取ります。これだけでも、かなり毛がふわふわとしてきます。からぶきした後、陰干しで自然乾燥させた後は、通気性の良い冷暗所に保管します。
防虫剤を使用する場合は、毛皮に直接触れないようにし、二種類以上の防虫剤・乾燥剤を入れることは避けて下さい

 
クリーニングのお勧め

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